縮小しながら発展する地域の創生
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26地元志向が示されています。(8)大都市圏で高い失業率明治大学の小田切徳美先生が、毎日新聞と共同で調べているデータがあります。それによると、2009年度から2013年度で、地方への移住者が着実に増えています。2014年度にはさらに増え、1万1000人を超えています。地方志向が顕著な傾向として出ているのです。失業率の都道府県別ワースト15を見ると、福岡、大阪、東京、埼玉、兵庫、神奈川などの大都市圏が入っています。つまり大都市に出れば仕事があるという状況は、変化しているということです。非正規雇用やブラック企業を含めると、もっと顕著になるでしょう。つまり、工業化の時代には大都市圏で仕事ができたのがかなり変容して、工業都市に仕事がない状況になってきています。かつて労働力流動化政策と言われた、農村から都市への人口誘導とは逆の政策が必要な状況だと思います。若者のローカル志向も、こうした時代の変化を察知した新しい流れと言えるのではないでしょうか。(9)「拡大・成長」からの発想転換を今日の私のメッセージは、高度成長期的な「拡大・成長」路線からの発想の転換が何より重要だということです。アベノミクスは「拡大・成長」志向が非常に強いですが、発想を転換する必要があるのではないでしょうか。その趣旨として2点挙げます。一つは、「24時間戦えますか?」的な発想では、かえって出生率も下がっていくということです。都道府県で出生率が最も低いのは東京で、沖縄、九州などが高い方に属しています。それが示し

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