縮小しながら発展する地域の創生
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109りません。これは元々ヨーロッパの協同体、山村などのコミュニティの標語です。それを「これは自分たちの事業にとってはいいかもしれない」ということで、協同組合は歴史的にそういう場所から生まれたのだと思うのです。ですから、非常に密接に生活している場所、そこの中で生きるために必要な、言葉で言えば経済、オイコノミーの部分です。そうしたものを受け継いでいるのが協同組合ではないかということを感じます。あとは、地域創生の話の中で「家」の話が出ました。今、宮城のある都市で取り組んでいるのですが、農村の地域を活性化するために家単位でやるのは、もう困難なのです。高齢者ばかりでは、やれることにも限界があります。そこで提起したいのは、「地域住民の暮らしにおけるベース部分の動きの単位を、家から地域に変える」ことです。そのためには、若い人間の「接着剤」がどうしても必要となります。そうした接着剤として、ワーカーズコープの協同労働が小さいながらも動き出しています。例えば、今取り組まれているのが山林問題です。どこまでが自分の土地かまったくわからないから、道をつくろうとしてもつくれないわけで、それをきちんと整理する行政の力も必要となります。実際に道をつくろうとする人がいるのだから、ぜひ、何とか協力してくださいという形で取組みが進められています。そういう活動が兵庫県や広島県で進められつつありますが、こうした点でも協同組合、協同した働き方というのは、実際、大きな力になるのではないかと思っています。川井:よろしいでしょうか。もう少しいろいろとご意見を伺い、ご質問にもお答えしたかったのですが、残念ながら時間がきてしまいました。恐縮ですが、ここでディスカッションを終わら

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