縮小しながら発展する地域の創生
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108―協同組合には、人々の暮らしの動きを「地域」へ開いていく力がある川井:今日はケアの問題についてはあまり触れられませんでしたが、本当に都市はこれから喫緊の課題になっていくと思います。先ほど西村先生が少しお言葉に出されたコミュニティという言葉、確かにどう表現していいのか難しいところがありますが、その地域力や人間のつながりにある程度依存しなければならない状況に、相当来ていると思います。たぶん、ケアをされる側とケアをする側のバランスが、かなり大きく崩れています。西村先生は、地域包括ケアの委員会の座長もされていらっしゃいますから、今、一番重要な課題かと思います。たとえば今、都心部にある団地問題にしても、まったく手が着いていないのが現実です。ですから、確かに我々はどこからはじめていったらよいのかわかりませんが、経済の動きだけではどうしても解決できないものがたくさん残っています。それらも踏まえて、よい議論になってご参加の皆さまと一緒に考えられたらうれしいと思った次第です。では、もうお一方、お願いします。参加者C:これまで中沢先生の本をたくさん読んでいましたが、お会いするのは今日が初めてです。人類の英知の問題とか、いろいろなことが全部出てきましたが、協同組合関係者で「協同組合は、人類の英知の正当な後継者ではないか」と言った人がいます。城南信金の吉原さん((*(*なのですが、今日聞いていて「本当にそうだなあ」と思いました。確かにコミュニティの相互扶助の問題、広井先生や西村先生もおっしゃいましたが、協同組合がよく使っている「一人は万人のために、万人は一人のために」は、協同組合の標語ではあ

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