縮小しながら発展する地域の創生
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106に話せませんでしたが、「どのような社会をつくっていくのか」というような議論を、正面からする必要があると考えています。「成長に代わる価値は何か」ということで、「幸福」という話をしたのもそれについてで、今、日本人は本当に幸福か、幸福の意味は何か、どのように幸福を実現していけるかというあたりが一つの基本論になります。具体的な一つのツールとして、私が鎮守の森に取り組んでいるのは、私は日本人の一番の根底にあるのが、自然の中に単なる物質的なものを超えた何かを見い出すような自然観のようなものです。身近なところではジブリ映画のようなものもそうだと思います。しかも、鎮守の森は、コミュニティや祭りといったものともすべて結びついています。講演でお話ししたように、全国にコンビニの数が5万であるのに対して、鎮守の森は8万もあり、非常に身近な存在でもあります。私の場合は自然エネルギーや鎮守の森セラピーという形でやっていますが、そういったものを再発見していくことが、日本におけるコミュニティのあり方を考えていく、かなり大事なツールになるのではないかと思います。しかもそれは、西村先生の言う家族を超えた、自然なども含めた家族を超えたつながりにもなってくるということで、取り組んでいるところです。川井:ありがとうございます。―協同組合には、地域創生の中で役割を果たす潜在能力があるのではないか参加者B:僕は専門が法律ですから、ちょっとだけ感想を述べます。ようやく民主主義が入って、市民社会が入ったのは戦後です。つまり、個人をどう評価し、つくり上げるかということを、戦前は憲法体制の下で何も考えずにやって

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