縮小しながら発展する地域の創生
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100ないかと思った次第です。ここで内藤理事長、ひと言お願いいたします。内藤:今、6次産業化と言って、いろいろなところでさまざまな取組みがされています。ただ、富の話や郡是の話を聞いていて思ったのですが、本当に身の丈に合った6次産業化ということを考えたとき、「自分たちは何のためにやっているのか」「何を信条に、何を是としてやっていくのか」をきちんと考えて6次産業化をすれば、その地域にしかないものが生まれますし、みんなが「すばらしい」と言って価値を認めてくれるのではないでしょうか。これは単に食品メーカーをつくっていく話ではありません。ただ単に原材料を加工して、販売して、付加価値を付ければいいとなってしまうと、これはもう人まね・物まねに終わってしまって、誰もがすばらしいとは思いません。そうすると、6次産業化の意味を本当に考えて、その富をつくる。「地域でいったい何があるのか」「地域の考え方はどうなのか」「今まで何をやってきたのか」ということをきちんと考えて6次産業化をすれば、ロットは非常に小さいかもしれないけれども、多くの人に評価される、感銘を受けるものができていって、成功するのではないか。今お話を伺っていて、そう思いました。そうしたことを考えた上で、6次産業化をぜひやってもらいたいというのが希望です。川井:私も今、いくつかの企業との研究会に顔を出していますが、正直言って、それはシェアードバリュー(共通価値)の研究なのです。シェアードバリューをつくり出すために何が必要かを議論していると、ネックとなるのは、やはり社会との関わりをいかに形成するか、という課題なのです。そういう意味では、6次産業もまた1人で何

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