縮小しながら発展する地域の創生
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99のですが、いささか逆戻り的な雰囲気も感じ取れます。「これからは高齢化して人口が減ってくるのだから、総活躍の時代をつくらなければいけない」みたいな話を聞くと、何かもう「年を取っても、とにかく稼げ」と言われているような気がしてくるのです。そうした虚しさのようなものが私の中にも何となく残っていました。その点で、最後のお話の展開の中で「国是ではなくて郡是なのだ」と言われたことは、今、まさに日本社会が問われていることそのものではないかという気がしています。ですから、下からの本当の民主主義の力によってこの国の将来像を、いかにデザインしていくのかを考える時代が、まさに今、到来しているのだと感じられます。そのためにも、さまざまなハードルがあり、世代間の意識の違いや、何か抵抗勢力になってしまうような壁もある、という状況であっても、私たちはそれを乗り越えていくような地道な活動を、実験的にでもいいから少しずついろいろなところで試していかなければいけないのでは川井 真

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