縮小しながら発展する地域の創生
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98なものとして愛好されたのだと思うのです。なぜ、日本人がこんなにお米に惹かれてきたかという原因はそれなのだろうと思います。(*13) 渡邉格(2013)『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』講談社 (*14) 渋沢栄一(1840~1931)実業家・社会事業家。第一国立銀行の設立に携わり、近代日本の実業界の基礎を築いた。7.1次産業が持つ価値川井:ありがとうございます。最後のお話はかなり興味深く、本日のテーマにもすごく合致するところに来たと思います。中沢先生から「郡是」というお話があり、これは「国是」ではなく「郡是」だというお話がすごく印象的でした。これからのコミュニティづくりは、そのコミュニティにおける地域力・人間力というものの力強さが問われているのではないかと思います。また、人口が減少し高齢化していく町の中で、そこだけで踏ん張ってできるのかというと、やはり先ほどのオープン・クローズドの話も出てきますし、科学を利用するとか、ITも含めて外に開いていく、つながっていくという話も出てくるのではないかという気もしました。それから、内藤理事長からラオスに行ったときの若い人たちの話がありましたが、これは中沢先生のお話ともつながるのではないかと思います。どうやら日本人という民族は、意外とアジア地域で交流できそうな人たちが分散してたくさんいそうだという気もしました。これについて中沢先生に振るとお話が長くなりそうですから、今回は振りませんが(笑)。もう一つ言えることは、今、何かもやもやとした不信感と言いますか、国の中で起きている、たとえば憲法改正の問題や経済の問題なども全部そうなのですが、何となく上から下へと向かうベクトルの流れが全然変わっていないような気がします。別に政権批判をするつもりはない

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