2025年の日本を俯瞰した調和的な社会経済モデルを探る
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93ないと思います。地方は、向こう10年のうちに再生するところは再生すると思います。たぶん都会から移住する人が増えてくる。東京都や埼玉県や千葉県に住むよりは、地方へ移った方がよほど幸せに暮らせるのではないかという気がします。ある一定の期間は人口が減っても日本はバラ色になる。 私はよく震災の話をするのですが、ここ東京で震災に遭ったら悲劇的です。足助へ帰れない。帰れば何とか食べられるわけですが、新幹線に乗っている最中や、今ここで地震が起きたら、私は路頭に迷うわけです。少なくとも、名古屋にいる間に震災が起きれば帰れます。みんなが助けてくれるし、コメも野菜もある。肉もイノシシを食べればいいという話になるので、まったく困りません。ところが大都市にいると、たぶん助からない。けれども、東日本大震災から4年たった今でもまったくそのことに気がつかないのです。 TPP(環太平洋連携協定)の話も同じです。グローバル化していいと思っているけれども、本当にそうなのか。地域が残れるのはイノベーションだけではなく、エネルギーと食を地域である程度つくれるからです。足助地区、豊田市はたぶんそれができます。でも、ほかの地区ができるかどうか。輸送のことも考えて、ガソリンがなくなっても何とかやれるかどうか。エネルギー自体も、原子力やそうしたものに頼らずに、バイオマスや水力などを全部統合して、一定の地域で、例えば西三河地区などでやれるかどうかという話です。そのような視点でこれからは物事を捉えていかないと、よい環境にはなりません。 そのためには先ほどから出ているように、近い将来の話としては、私たちの世代が75歳くらいまで、あと20年くらいしっかり仕事をするこ

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