2025年の日本を俯瞰した調和的な社会経済モデルを探る
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91の方たちとは仲良くできるのですが、いざ一緒に何かをしようとすると、様々な条件をクリアしないとできません。認知症の調査の場合、足助は1万5000人くらいに調査票を配り、9000人くらい返事があり、そのうち6000人くらいが高齢者でした。鳴子住宅の場合は住民が5000人くらいいらっしゃるのですが、そこに調査票を配ろうとしたら、大学の先生が「配れません」と言うのです。なぜかというと、保健所長を通さなければいけない、自治会長を通さないとへそを曲げる、ということがあるからです。その地域に既存の勢力があるうちは、イノベーションが起こりにくい。むしろ過疎化した地域の方が、イノベーションが起こりやすいと思います。そういう場所はたくさんあります。ですから私は、まず過疎地域でイノベーションを起こして、それを都会型へ落とす方が早道ではないかとさえ考えています。向こう10年のうちに再生する地方は再生し、都会から移住する人が増えるだろう早川:もうひとつ言えば、人口が減って高齢者が増えても、田舎に住んでいますから全然怖くないのです。都会だと、すごく脅威です。東京駅や名古屋駅などを歩いていると人がたくさんいますが、過疎であると人口が減ってもそれが普通なのです。東京は異常に多いと思います。私は、日本の人口は7000~8000万人くらいに、もっと早く減った方がいいと思っています。しかし、今は1億2000~1億3000万人のレベルでいろいろなことが成り立っています。行政もすべて肥大化して、がんじがらめに縛られています。ですから、せめて地方からイノベーションを起こそうと思ったら、規制をかなりドラスティックに緩和する

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