2025年の日本を俯瞰した調和的な社会経済モデルを探る
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90たなあと思っていたら介護保険が始まりました(笑)。福祉カルテは、病院と社会福祉協議会と何とか…というように、3町村でぐるぐると連携してやっていましたから、介護保険が始まる時、それは囲い込みだからやめてくれと言われました。介護報酬を申請するためのいろいろなソフトがあり、せめてそのソフトだけは一緒にさせてほしいとお願いしたのですが、それも一緒ではない方がいいと言われました。それが今は「連携」とおっしゃるのです。法律が定められると、それをかいくぐって悪いことをする人がたくさん出てきたりしますので、何かやむを得ない事情があるのかもしれませんが、やっと時代が「連携が大事だ」となってきました。これからサービス付高齢者向け住宅が増えてくると、いろいろなサービスが出てきて、法律が追いつかないと大変なことになると思いますが、そこもやはり地域が本当に困らないとしっかり対応できません。 もうひとつは、柏の例でも足助の例でもそうだと思いますが、行政と医師会が一体となっているところは、すごくうまくいくのです。こちらは豊田市と合併してもう10年がたちましたが、ようやく同じ形態がとれるようになって、多職種連携が機能するようになりました。今では私たちとヘルパーさん、ケアマネジャーが話をするのはごく普通です。地方だとそれをやらざるを得ないわけです。医療資源も介護資源も少ないわけですから、本当に困ると、それが必然的にできるようになるわけです。 しかし、同じ愛知県でも名古屋市の場合は、すごく大きいのでまとまれないのです。例えば、名古屋市緑区に鳴子住宅というところがありますが、実は内閣府の予算のもと、そこの高齢者と足助の高齢者で認知症の調査等に取り組んだことがあります。そこのNPO

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