2025年の日本を俯瞰した調和的な社会経済モデルを探る
74/128

72も必要だという意味です。 しかし、都市部ではこのようにイメージできますが、地方では在宅医療専門の診療所が育ちにくいと思われます。その役割を担うのは、私は病院だと思います。病棟にて在宅医療を勉強してもらうということでよいと思いますが、在宅医療のしっかりしたレベルの人を地域の病院に置いていただき、そこが医師会と手を組んでくださることが私は理想と考えています。6次産業化の概念には“人”を起点とした仕事のあり方や産業づくりの視点が求められる真野:では、西村先生お願いします。西村周三(以下、西村):実は今から40年くらい前に、農政審の会長をなさった東畑精一先生(*8)が「コメ作りは30日でできる」という話をされて、大変物議をかもしたことがあります。私はその時、労働時間の中身を一生懸命調べたことがあるのです。 実労働時間について、例えば開業医さんに「何時間働いているのか?」と聞いたら、あるお医者さんは「24時間」とおっしゃるわけです。それはどうしてかというと、「看取りをしないといけない患者がいるときは、24時間ずっとその人のことを考えているから、自分は24時間働いている」と言われてびっくりしたことがあります。でもそれは、「一部」真実で、「一部」寝ているでしょう?ということも申し上げたいのです(笑)。 同じように、農業だって24時間、来年の種まきはいつするか、品種改良をどうするかといろいろなことを考えておられる。ただ、その時間はひょっとしたら、周りから見たらぼうっとし(*7)愛知県安城市にある愛知県厚生連が運営する病院。

元のページ  ../index.html#74

このブックを見る