2025年の日本を俯瞰した調和的な社会経済モデルを探る
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68医師会と在宅医療専門の診療所が相互に補完し合える関係づくりが重要川井:早川先生、ありがとうございました。これで、これからのディスカッションに必要な材料がすべて出そろったわけです。さて、今の早川先生の報告で、都市と農村の比較軸のようなものが浮かび上がってきたように思います。基調報告で辻先生がお話しになった柏の取り組みは、都市型と言ってよろしいかと思いますが、それと対照的な中山間地域、へき地と言ってもよろしいかと思いますが、早川先生が活動されている地域では、地域資源のあり方や医師の数など、環境的に都市部とは大きく異なります。ただ、上辺での違いは相当ありますが、両者に共通する普遍的な価値は、たぶんお二人の先生の言葉の中に滲み出ているようにも感じました。そうしたところも抜き出しながら、進めていければと思います。 それでは、まず真野先生から今までのところでコメントをいただき、口火を切っていただければと思います。真野俊樹(以下、真野):はい。少し私自身のことも含めて話しますと、私は厚生連には縁がありまして、医師の後期研修を愛知県の安城更生病院(*7)でさせていただきました。当時の安城更生病院は地域医療という感じではなく、急性期医療中心ではありましたが、三河地区の安城というエリアの医療に携わりました。また、これは本当に偶然なのですが、私は名古屋出身で何より足助には深い縁があって、実は私の祖父が足助出身なのです。幼い時に足助には何度も行っていて、足助小学校で遊んだこともありますし、近所の山で栗拾いをしたこともあります。ですから、川井さんを通して足助病院の早川先

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