2025年の日本を俯瞰した調和的な社会経済モデルを探る
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66すから、世代間の交流ができるような工夫を加え、高校や中学校の先生も交えてこの話を進めていこうと考えています。その交流ネットワークに見守りシステムが導入できれば、実は世代間の見守りネットワークが構築できます。例えば豊田市から少し離れた団地に子どもたちが住んでいるとすると、そこの人たちとのつながりがまた再構築できます。そうすると、車の移動をするときなどにその人たちが手伝ってくれます。先ほど、NPOを作って低賃金で働くワークスタイルの話が出ましたが、そういうことも実行しやすくなるのではないでしょうか。 なお、先ほど触れた認知症アンケート調査からは「うつ傾向の症状を持つ人で、農作業をしている人は圧倒的に少ない」という結果が出ました。このデータを地元のJAあいち豊田とJA愛知東の組合長さんにお渡ししたところ、盛んにそれを地区でご紹介下さっているということでした。このアンケートでは住民の生活背景を詳しく調べましたが、簡単に言うと足腰がいいから外に出られる、だから農作業ができる、だからうつにならない、という話です。もちろん論理的には逆の解釈も成り立ちますが、現場の感覚からはそのような相関図が十分描けそうなので、現在、論文にしている最中です。もしかしたら、地域の人と人との見守りネットワークから農業を中心としたネットワークが形成できるのではないかと考えています。今、それを仕掛けているところです。 その活動の中心となるのが「三河中山間地域で安心して暮らし続けるための健康ネットワーク研究会」で、今年で5年目に入ります。その中で、地域住民と話し合いをしながら進めています。(*6) Information and Communication Technology の略。

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