2025年の日本を俯瞰した調和的な社会経済モデルを探る
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61中山間地域医療機関を拠点とした地域コミュニティ再生構想川井真(以下、川井):このメンバーで公開研究会を進めてまいりますが、基調講演では西村先生に、そして基調報告として、辻先生には千葉県柏市での活動のご報告をいただきました。それを踏まえて早川先生には、先生が進めていらっしゃる「足助プロジェクト」の概要をまずはご説明いただきたいと思います。皆さま方のお手元にお配りしている昨年度のセミナーの資料(*1)を見ていただければ内容の詳細については分かりますが、それはまたあとでゆっくりご覧になっていただくとして、公開研究会に入る前のひとつのご報告として早川先生からご説明いただければと思います。早川富博(以下、早川):足助病院(*2)の早川です。昨年度に引き続きこのセミナーに呼んでいただきまして、大変光栄に思います。本日は西村先生と辻先生という高名な先生方とご一緒に壇上に上がるということで、少し緊張しております。今日は勉強させてもらうつもりでまいりましたが、前半での両先生のお話を伺って、私たちが足助地区(*3)(現・愛知県豊田市)で進めてきている仕事はそう間違っていなかったのだなと感じています。これから私たちの取り組みについて少しだけお話をさせていただきますが、公開研究会の端緒になれば幸いです。 今日は資料を何枚かご用意しましたが、まず、医療・看護というものを健康という観点からみてみると、そこには当然「望ましい人の一生と生活の質」を支えるための役割というものがあります。一方で、地域包括ケアが目指すところは何かと言えば、それは地域住民の「健康的な生活」を支えることであり、そのためには保健・予防的なことで言えば“住まい”と“生活様式”、

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