2025年の日本を俯瞰した調和的な社会経済モデルを探る
57/128

558.高齢期の生き方・住まい方を考える(1)生活支援のためのコミュニティビジネス次のステップは生活支援です。一人暮らしや夫婦だけの世帯に対して、いかに見守り・相談・食事のデリバリー等を地域で行えるかです。結論としては、基本的にコミュニティの形成が必要ですが、有償のシステムも組み合わせないと駄目だと思っています。所得の低い人は助成すればよいのです。有償の助け合いシステムをいかにつくるかがポイントになります。(2)コンパクト+ネットワーク地方の場合は「コンパクト+ネットワーク」です。これは国土交通省の構想で、コンパクトなまちにして安心して住めるようにするという考えを含めて3師会が入るというモデルができました。また、モデル的に拠点型のサービス付き高齢者向け住宅を誘置しました。約100戸規模の大きな安心住宅です。1階には24時間対応できる看護・介護と在宅医療も行う地元のお医者さんが入りました。ただ、これらはこの住宅だけでなく、地域にも出ていくことがポイントです。今後、24時間対応のサービスや在宅医療が普及していけば、こうした大きな建物を地域でたくさんつくる必要はないと思います。自宅を含め、生活の場にケアシステムが行き届けばいいわけです。最終的には空き家活用を含め、地域全体を介護医療付き地域にするという構想です。柏市は公有地を出すことを含めて、こうした拠点を各日常生活圏に展開していく検討を始めています。地域包括ケアシステムを先取りした街づくり~千葉県「柏プロジェクト」の在宅医療・介護モデル~

元のページ  ../index.html#57

このブックを見る