2025年の日本を俯瞰した調和的な社会経済モデルを探る
53/128

51連携システムを開発しました。異なる情報システム間で互換性を持たせるために情報項目を標準化し、共通基盤をつくる必要があります。国でもこのシステムをつくる方針で、総務省と厚生労働省が動いています。土台はかなりできてきました。ポイントは、これまで述べたように多職種のネットワークをどうつくるかということと、お医者さんがやる気になってくれるソフトシステムづくりでした。柏で実質約4年をかけて、モデル化しました。今では年間200件の視察があるそうですが、東大は直接コミットしていません。全部、柏市と柏市医師会の力だけでやれていますので、他地域でも再現可能性があると確信しています。(6)ネットワーク化の手順ネットワーク化の第1段階は、医師会と市役地域包括ケアシステムを先取りした街づくり~千葉県「柏プロジェクト」の在宅医療・介護モデル~所が方針を決めることです。みんなで議論すればいいものになるわけではありません。まずこの両者がこれから進める構想の概念を話し合い、方針を決めるのがポイントです。第2段階は、医師会が方向を決めて立てば、歯科医師会、薬剤師会、訪問看護連絡会、ケアマネ連絡会、介護事業者協議会といった団体、病院の退院窓口、メディカルソーシャルワーカーの代表などが出てきて、意思決定をする場ができます。そして第3段階として、いろいろなシステムをつくりました。7.柏プロジェクトの試みから(1) 副主治医の出番は非常に少ない柏市医師会で10年前から在宅医療が必要だと意見されていた医師がいらっしゃいました。彼は、我々がこのプロジェクトに着手した時、「私

元のページ  ../index.html#53

このブックを見る