2025年の日本を俯瞰した調和的な社会経済モデルを探る
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48ができました。団地は同世代の人が同時期に入るので、高齢化が急速にあらわれます。現在、高齢化率は40%です。この団地を含む豊四季台地区の2万数千人を対象に、東大とURと柏市が組んでモデル事業に取り組みました。今から5年ちょっと前、当時はまだ「地域包括ケア」という言葉はなく、東大が示したのは"Aging in Place"でした。私たちはいわゆるコーディネーターです。具体的には、出掛けやすいバリアフリーの住まいと、出歩きのしやすいまちづくりです。特に65歳以降は地域で働こうという生きがい就労のモデル実施をしました。そして、24時間のケアシステムの整備です。(2)ケアシステムに取り組んだ背景柏市では2005年から2025年に向けて、入院患者が2倍近く激増します。そうなると、入院患者を受け止め切れなくなります。沿線全部が同じ状態です。そこで柏市医師会は、在宅医療が必要だと判断しました。一方で、団塊の世代が75~80歳を迎える2025~2030年をピークに外来患者が減っていくので、開業医は「外来収入が減ってきた」と言い出すと思います。その時に国が言うことははっきりしています。「訪問診療をやってください」と言うでしょう。その時に慌てても間に合いません。日本の高齢化の勝負は、団塊の世代が75~90

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