2025年の日本を俯瞰した調和的な社会経済モデルを探る
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371.はじめにこれからの超高齢社会は、今までの常識の延長線上では成り立ちません。特に、医療に関しては大転換が必要だということを中心に、お話しします。今後の日本のポイントは、75歳以上人口が激増するということです。75歳以上人口が5分の1を占める社会は、世界中どこにもありません。同時に人口が減り続けます。つまり我々は、日本有史以来経験のない未知の社会に向かっています。団塊の世代が75歳を超えるのは2025年です。この2025年が、日本の社会システムあるいは社会の価値観を占う上での大転換期です。2.日本人の長寿化と自立度から見た課題(1)生存率曲線の変化が意味するもの高齢化の背景として何が起こっているのでしょうか。生存率をみると、1947年は終戦直後ですが、各年齢でかなりの人が亡くなっています。それが、50年後の1994年には若死にが激減しました。そして今は75歳以上の生存率が増え続けております。この生存率曲線は、虚弱な人口集団が増え続けていることを意味します。これをどう受け止めるかです。(2)長生き社会の日本死亡する場所はどこか。今は病院で亡くなる人が約8割で、「死ぬのは病院」というのが常識になっています。地域包括ケアシステムを先取りした街づくり~千葉県「柏プロジェクト」の在宅医療・介護モデル~

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