2025年の日本を俯瞰した調和的な社会経済モデルを探る
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362025年には高齢者世帯が変容する。その中で幸せに生きるためには医療の大転換が必要だ。生活習慣病予防と介護予防のため、全員が食・運動・社会参加のできるまちをつくるべきだ。2006年の介護保険制度改革ではケア思想が転換され、2011年には地域包括ケアシステムの概念が示された。在宅医療はまだ普及していないが、医療介護制度総合改革などにより、地域連携型の新しい医療システムがつくられようとしている。私は地域包括ケアシステムのモデルとして柏プロジェクトに取り組んでいる。開業医同士が助け合う仕組みをつくり、24時間対応の訪問看護も整備する。このように、かかりつけの開業医が合理的に在宅医療に取り組めるシステムがコアとなる。拠点型のサービス付き高齢者向け住宅のモデル化にも取り組んでいる。柏プロジェクトのポイントは多職種連携研修とネットワークづくりだ。JAグループは重要な助け合い型の組織だ。モデルづくりを実践してほしい。基調報告地域包括ケアシステムを先取りした街づくり~千葉県「柏プロジェクト」の在宅医療・介護モデル~報 告 要 旨東京大学 高齢社会総合研究機構 特任教授辻  哲夫

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