2025年の日本を俯瞰した調和的な社会経済モデルを探る
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34がちです。しかし、日本という社会は、長年の文化・歴史を経て大変豊かな資産をたくさん持っています。自然も、物的な資産もあります。もっと具体的に言えば、公共の場所、公共用地があります。例えば岩手県の紫しわちょう波町では駅前に公共住宅をたくさん用意していますが、それができる理由は公共資産があったからです。ほかにも、社会福祉施設や病院が結構あります。これらをもっと社会のために上手に使うという発想が、これからは大事です。簡単に言えば、わが国の公的不動産の資産規模は相当な額に上るということを指摘しておきたいと思います。7.6次産業化の見通し(1)6次産業の既存の概念6次産業の定義については、既にご存知の方も多いと思います。ここでは「足す」と書いてありますが、最初にお話ししたように、「足す」ではなく「掛ける」の発想となります。そして、従来の発想はどうしても1次が最初にあります。1次産業と2次産業と3次産業を足すと6次産業になる。産業分類で言うと、1次産業は農林水産業、2次産業は製造業、建設業、工業など、3次産業は小売業やサービス業を指している。これを足すということはどういうことかというと、農家などの生産者が作ったものを自ら製品に加工し、販売まで行うということです。(出典 Wikipedia「第六次産業」をもとに筆者が修正)

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