2025年の日本を俯瞰した調和的な社会経済モデルを探る
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31は健康寿命の対象者にはカウントされません。ですから、身体が完全に動くことを想定し、それを理想とすることには決して反対ではありませんが、ある程度の障害を持ちながらも、ある程度の時間だけ働くことができるような高齢者をどうやってつくるかが問題となります。6.地方創生の見通し(1)「増田報告」の衝撃先ほど、「高齢者が増えるから総人口は当分そんなに減らない」という表現をしましたが、地域別に考えると、実はもうひとつ別の深刻な問題に日本は直面しています。例えば、元総務大臣、元岩手県知事の増田寛也さんが座長を務める日本創成会議・人口減少問題検討分科会の報告書で、「消える市町村がある」という衝撃の報告がありました。そのデータと研究所のデータとの若干の違いは、彼らは研究所の推計よりも「もっと若い女性がいなくなる」ということを強調していることです。その結果、その町には子どもができないから消滅する、というロジックになっているんですね。(2)大都市への人口流出問題実は、「彼らの推計の方が絶対正しい」と言えないことははっきりしているのですが、同時に「研究所の推計を信じてください」と言う自信もありません。まず、超高齢者の人口がすごく増えるという推計は間違いないと思います。しかし、そこから先は少し怪しいと思って聞いてください。つまり一部の経済学者の方たちは、超高齢者人口が増えた結果、大都市で超高齢者が激増し、そこでの医療・介護需要が激増する。その方たちのケアをするのは若い女性だ、と言っている2025年、経済の活性化と高齢化の両立は可能か

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