2025年の日本を俯瞰した調和的な社会経済モデルを探る
32/128

30からの課題になっていきます。(2)高齢者の就業とにかく90歳の方、80~84歳の方も激増します。そういう社会に今、私たちは生きています。その中で、既に前期高齢者の多くの方が働いておられます。ただし、高齢者の就業率データをみるときにも注意が必要です。正規か非正規か、あるいはリタイアしたあと同じ場所で働いているのか、そうではないのか。あるいはボランティアとして、お金にならないけれど働いているという形もあります。「働く」ということの意味を正確に捉えなければいけません。ちなみに、産業ごとに高齢者がどういうところで働いているかという問題を考えると、「農業、林業」が非常に多いことが分かります。もちろん、「卸売業、小売業」も比較的軽い仕事が多いので、高齢者がおられるということをデータが示しています。こういったことをもう少し仔細に調べていくことが、経済という観点からも大事なことではないかと思います。(3)超高齢化を踏まえて以上をまとめますと、人口問題について強調したいことは、こういうことです。時間の関係で健康寿命についての詳細は省略しますが、若干の障害を持って生きている方々・超高齢化と健康寿命のとらえ方「~74歳」、「75~84歳」、「85歳~」を分けて考える・『健康寿命』にとらわれすぎ!・65~74歳は労働力・大都市への人口集中と超高齢化(*1)国立長寿医療研究所 研究所長。(*2)聖路加国際病院 名誉院長。

元のページ  ../index.html#32

このブックを見る