2025年の日本を俯瞰した調和的な社会経済モデルを探る
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28ています。詳細な調査はまだございませんが、このような働き方の場合、おそらく出生率はかなり高いと思います。それは、表現がちょっと古いかもしれませんが、計画的に子どものことを考えることができるからです。一方で、未婚率が高い仕事もあります。例えばシステムエンジニアのように。なぜなら、いつ呼び出されるか分からない仕事の場合、たとえ日曜日でも、システムがダウンすれば行かざるを得ません。それは、プライベートな暮らしがかなり妨げられることを意味します。なお、今申し上げたような分析は、公式統計だけに基づくものではありません。最近は、婚活ビジネスが流行っております。いろいろな関連データも踏まえて議論しておりますので、お許しいただきたいと思います。このように考えると、経済の活性化も大事ですが、GDPを上げることだけを単独で議論するのはおかしいように私は思います。ある程度満足がいく働き方があり、かつ、それなりの経済成長ができる社会をどうやって実現するか。それが大事なテーマだからです。くどいようですが、経済を無視してよいとは申しておりません。私たちの医療・介護の税金をどこかから集めてこなければ社会は維持できません。そういう意味では経済はとても大事です。ただ同時に、産業ごとの働き方についても考える価値があると思うのです。5.高齢化と経済活性化(1)高齢化の実像「超高齢社会」と「高齢社会」は違います。これからの世の中は、そのことを念頭において議論する必要があります。「認知能力の年齢による変化」というデータがあります。例えば言語(語彙)能力は、70歳

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