2025年の日本を俯瞰した調和的な社会経済モデルを探る
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20された大変魅力的な表現でございまして、これは必ずやこのあとの日本のキーワードになると私は思っております。以前、「6次産業は“1次+2次+3次”ではなく、“1次×2次×3次”でないと駄目なんだ」という話を聞かされました。足し算ならゼロがあっても何とかなりますが、掛け算はゼロが1個でもあったらすべてがゼロになってしまいます。つまり、「1つでもゼロがあっては6次産業が成立しない」という深い意味があるのです。今日は、その6次産業化を私たちの働き方という観点から見直すことを提案させていただきたいと思っています。また、その話の間には「産業構造の転換」や「地方創生」の話を挟ませていただきます。3.人口推計の見方(1)高齢化・出生率の将来推計まず、人口は間違いなく減ります(図1)。私が所属していた研究所でも将来推計を出しておりますが、それに対して「おまえのところの推計は当たるのか?」と時々言われることがございます。実際、少し前に少子化の将来推計がずれたことはございました。しかし当分の間に関しては、残念ながら高齢者の激増現象は余程のことがない限り当たると思います。出生率については、ご承知の通りベビーブーマーという団塊世代のひとつの塊があり、これが日本の人口構成上、非常に注目すべき点となります。これを言うと、団塊世代の方は「俺たちは何も悪いことをしていないのに、俺たちを責めるのか」とおっしゃいますが、決して責めてはお

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