2025年の日本を俯瞰した調和的な社会経済モデルを探る
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16ベースの構築が不可欠になってくるのではないか、という駆け出し研究者が抱える問題意識について、失礼かつ無謀にも、西村先生にご意見を伺ったのでした。畏れ多くも西村先生は貴重な時間を割いて真剣に対応してくださり、その明快なご意見に、視界を遮っていたモヤモヤとした霧が一瞬で晴れていくような清々しい気持ちに包まれたことを、そして西村先生の深い見識と洞察力の鋭さに圧倒されたことを、いまもはっきりと憶えています。そして辻哲夫先生ですが、辻先生との出会いもすでに10年以上前のことになります。当時は厚生労働審議官でいらしたと思いますが、研究会の席で辻先生のお話を聞く機会がありました。そのときの感動はいまも鮮明に残っていて、中央省庁に対する根拠のない不信感のようなものが、すべて払拭されていきました。「未来が其の胸中に在れば(*2)」、立場や役職に囚われることなく協働できる、という確信を抱いた瞬間でした。辻先生には2009(平成21)年度のJA共済総研セミナーにもご登壇いただき、「ジェロントロジー(老年学)と地域社会」というテーマで講演をしていただきました(*3)。それから早川富博先生は、私が個人的に最も尊敬し、信頼しているパートナーであり、心豊かな社会への変革を目指す同志でもあります。早川先生には昨年度のセミナーに引き続き、今年度もご登壇いただきました。三河中山間地域におけるプロジェクトの拠点であるJA愛知厚生連足助病院の院長として、過疎地域の実情をお伝えいただき、その現実を受け止めたうえで、農山漁村における地域包括ケアのあり方を検討してまいりたいと思います。そして最後に真野俊樹先生ですが、今回のセミナーでは共同司会とコメンテーターをお願いしました。真野先生は当研究所の客員研究員で

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