2025年の日本を俯瞰した調和的な社会経済モデルを探る
118/128

116合いをつけられる知恵を身につけて、いわば協同組合方式で経営していくという、もう少し今よりも大勢の人間を巻き込んだ形の経営形態を考える必要があるのではないか。そういう意味で資料に書きました。 昔の農家というのは、都会と比べると間違いなく、いろいろな共同体規制がありました。女性差別もあったと思います。その意味では、昔は農業をやっている人の方が精神的に強かった。それがほとんど今は解放され、女性も強くなりました。女性が社会のリーダーシップを取ることが珍しくない時代がやってきました。女性たちは、うまく折り合いをつけてやっていく術をわりあい持っています。あまり強調しすぎると逆にちょっと男性差別に聞こえてしまうかもしれませんが、もし私が農業をやっていたら隣のおじさんと喧嘩してしまいそうな気がします(笑)。しかし奥さん同士はわりと上手にやって、いわば協同組合的な運営を維持されていかれるのではないか。そんな期待を持っています。これは医療・介護の現場の助け合いでも同じことが言えるのです。ですから、農業自体の進め方もそうした形で展開するといいのではないかと思って、そのような趣旨で書きました。川井:よろしいでしょうか。ありがとうございました。ちょうど時間になりましたので、この辺りで公開研究会をまとめさせていただきたいと思います。最後に真野先生から一言いただければと思います。真野:どうもありがとうございます。私もJA共済総研の客員研究員の一人として、よく機関誌に寄稿させてもらっていますが、このような場に呼ばれたのは初めてで、非常に光栄に思っていますし、また内容の濃いディスカッションで、私自身もたいへん勉強になりました。 最後に少しだけコメントさせていただきます

元のページ  ../index.html#118

このブックを見る