2025年の日本を俯瞰した調和的な社会経済モデルを探る
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110まく仕組むことができた自治体はかなりいい感じになるけれども、大都市圏が多いと考えられますが、それが仕組めないところは、かなり大変なことになるのではないでしょうか。 10年後は、自治体の力量の差がかなり表れてくると私は思います。自治体の力量が問題になります。コミュニティというと昔は庄屋や町衆がいたそうですが、今やそんな地域のまとめ役となる人はいませんから、そこはやはり行政です。先ほどの早川先生の話につながります。自治体のお立場からのご質問なので、あえて申し上げますが、仕掛けづくりという行政の力量が、かなり大きなテーマになると考えます。コミュニティづくりのためには「中心」が必要早川:先ほど申し上げた豊田市の話の続きですが、最近は行政が後押しをしてくれるようになってきています。たぶん、どこも同じようなことが起こっているのではないかと思います。コミュニティをどう保存し維持するかという話になると、「中心」が要るのです。私らは今、小規模多機能の特養施設をつくっていただいて、そこに地域の人たちが集まる場所もつくり、デイサービスもできるようにする。なおかつ、そこに診療所機能もつくって、そこでエデュケーションもやりながら地域に展開するという形を考えています。そして、小規模多機能の特養施設に入っても家や畑を見に行けるような形をつくった方がいいと思っています。 でも悲しいかな、それは特養ですから、これからは要介護度3以上の方しか入れません。だから元気な老人たちにそこへ集まってもらって、そこに入っている人たちを介助しながら自分たちの仕事もする。ただし、それを無償ではやらない、という形にしたいと思っています。その

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