2025年の日本を俯瞰した調和的な社会経済モデルを探る
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109も大都市も一緒です。これに伴う問題は西村先生が今おっしゃった通りで、これはもっともっと深刻になる。どの地方も一時的には団塊の世代が多いわけです。団塊の世代が集団としては75歳から虚弱になっていくので、虚弱な一人暮らしと夫婦が激増する。おそらくこれが大きなポイントですね。 結局、大都市圏では看てくれるところがなくなるという形で、かなりの大混乱です。地方では病床が、場合によっては特別養護老人ホームが過剰病床になっているところもあります。そこは大都市圏と地方で少し違う。ポイントは、それを支えてくれる人が不足する可能性があるということです。逆に今度はコストがかかる。私はかなりの増税が必要だと思っていますが、増税しただけで解決できる問題ではありませんので、当然、行き詰まる可能性があります。 結論はやはり、できる限り弱らずに、その人らしく生きていくという生活構造をつくっていくことです。それにはコミュニティですよ。地域の若い人が減ってきますから、地域の元気なお年寄りが、より弱っていく人を支えながら地域をメンテナンスしていくというコミュニティづくりになると思います。ここは行政格差が出ます。コミュニティをうまくつくった地域とうまくつくれなかった地域が出る。政治の問題はありますが、施設のお金の部分についての全国的なオペレーションは仕組めるかもしれません。でもコミュニティが機能しないというのは、マネージャーあるいはコーディネーターとしての地方行政の力量の問題になります。 おそらく10年後には一人暮らし、あるいは身寄りのない人、特に単身世帯が増える。これをどうするかは、コミュニティの力なのです。おそらく10年後は、コミュニティの生き残り競争になると私は思っています。コミュニティをう

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