自然と人間の協働による永続的な地域社会づくり
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94はないでしょうか。 しかも、私どもの地域は空き家がすごく多いのです。昨日、一昨日も市の職員といろいろ話をしていたのですが、本当に管内に300戸以上の空き家があります。それだけ都会に出て行ったから家が残るのです。その半分近くはリニューアルをしなくても住めそうな家です。 ただ、都市部に出て行っても、お盆や正月には、先祖供養をしなければならないから戻って来る。だから誰にでも貸してよいということにはならないということで、賃貸とか譲り受けるというときに若干の障害はあるようです。ただ、これからも今のような状況が続くとすれば、ちょっと楽観的かもしれませんが、意外とそうした住宅問題も解決していくのではないかと私は感じています。移住者に徹底的にお節介をする〝お節介集団〟をつくる澁澤:今、早川先生や私たちが入っている豊田市の中山間地ですが、「空き家バンク」を行政でやったのです。倍率が百何倍で、待っている方が何百人という単位でいらっしゃいます。 しかし、今まさに組合長がおっしゃったようなかたちで、仏壇があるなどして、空き家が出てこない。それは、〝お節介〟が、その集落にいないとできないということがだんだんわかってきました。だったら、〝お節介集団〟をつくろうということで、半官半民みたいなかたちで、地域のNPOやそういう活動と豊田市が一緒になって、「おいでん・さんそんセンター(*8)」をつくりました。そこが徹底的にお節介をする、それから、入って来る人たちへの集落への入り方を教育していくというやり方です。

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