自然と人間の協働による永続的な地域社会づくり
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93去にあったような気がします。その意味ではちょっと苦い経験になったかと思います。 先ほど個別報告でもご紹介しましたが、最近、Iターンで移住される皆さんが、この何年かずっと、NTTに勤めていた、パナソニックに勤めていた、東電に勤めていた…というように、年収がすごく高いのです。そうした彼らが、どうして40代くらいのときに職場を離れて農業に就こうとしたのか、本当に最初は疑問に感じました。もう10年来、ずっと受け入れをしていますが、彼らの農業や集落との関わりを、最初、私はとても危惧しましたが、今の若い人たちというのは、すごく感性があると思います。 私どものところにはトマトをやっている農家が非常に多いのですが、10年前に移住して来た人たちが今、年間で2000万円以上を売り上げる農家に育っています。そうした所得を上げながら、きちんと集落とのいろいろな関わりを大事にして、一生懸命やっていただいています。そのようなことがあるから、昔はお年寄りなどは都会の皆さんが来ると、何か非常に閉鎖的になっていましたが、先ほど中沢先生の女性部の話でも出てきたように、今は素直に受け入れができるような体制づくりができてきたと思います。そういう意味では、都市部の若い人たちと農村の結びつきは、これから高まっていくので河合 勝正

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