自然と人間の協働による永続的な地域社会づくり
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89求めようとしている人たちが、これは無意識なのですが、原型的な日本人の生き方に自然に還っているというのが、僕には普通の状態として見えるのです。 それは決定的に今までの日本、60年間つくってきた、この戦後社会の在り方が大きく変質している時期にきているのだと思います。ですから、この若い人たちがちょっと保守的な考え方になったり、今までのリベラルな、左翼とは違う考え方を持ちはじめても当然だと感じています。 もちろん、それが変な方向に引っ張られようとしている部分もあって、これはとにかく右も左も、僕はだめだと思います。今までの左もだめだし、今の右もだめだと思う。それよりもむしろ、地方へ行って、新しい生活形態を自分たちで生み出そうとしている人たちの生き方が、これからの生き方のいちばんモデルになっていくと思います。川井:それは今の若い人たちの中に、新しい感性のようなものが芽生えはじめていると理解していいでしょうか。今年、2014年は国連の「国際家族農業年」、まさに家族農業というのは、農業あるいは医療を産業化していこうという昨今の流れとはまったく逆行していると思うのですが、そのあたりはどのようにとらえていらっ中沢 新一

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