自然と人間の協働による永続的な地域社会づくり
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80 「地域」とは何かというと、それははっきり原理を取り出せるもので、いちばんはっきりわかりやすいのは「自然」に包まれているということですし、自然との関係性が見えないところにセットされていて、その関係性をベースにして、人間と人間の関係をつくっている。これが地域ということではないかと思います。 ですから、ある意味で言うと、都市が地域にならない、なれないかというと、そんなことはないのではないか。このことを意識しさえすれば、どんなところでも地域はつくれるし、地域をたくさんつくって、それがお互いに結ばれていったときに、初めてこの世界は変わっていけるのだろうという気持ちを持っています。中世から伝わる「花祭り」の地域ネットワーク川井:ありがとうございます。確かに、あの三角形の図は、産業論的な観点からヒューマニズムを協調してデザインしたものですから、「自然」との関係性のような見えづらい部分をすべて捨象してしまいました。実際、早川先生、河合組合長、澁澤先生いずれのお話の中にも、自然、太陽や水や大地について、明確に言語化しきれないのですが、伝わってくるものがありました。まさにそれが地域の本質的な部分ではないかと感じました。 その目に見えない部分ということになると、自然と祭り、祭りの背景にある人間の心のようなものは、とても密接な関係があるように感じます。そのあたりを、今お話を聞いていて中沢先生に伺ってみたくなったのですが。中沢:僕は、この三河で河合組合長たちが活動をしているから、ちょっと参画してみないかと川井さんに言われたときに、とっさに頭に浮かんだのは、設楽町の「花祭り」のことだったの

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