自然と人間の協働による永続的な地域社会づくり
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68化の流れの中で、日本はもう一度、地域あるいは「まち」というものに根づいた生活を見つめ直さなければいけないと痛感しています。 そこで、先ほどの河合組合長のお話の中でも多く触れられていた「地域力」のようなものについてですが、以前、河合組合長から、「自分の地域は高齢化、認知症問題は何も怖くないんです」というお話しを伺ったことがあります。なぜかというと、女性部の人たちがいるからだと。それは本当に地域における足腰の強さだと思っていますが、河合組合長、何かひとこと、お願いします。地域の暮らしを支え、縁の下の力持ちとなっているのは、やはり女性河合勝正(以下、河合):私どもの地域も高齢化率が、今52・3%くらいになっているようです。50%を超えると限界集落となるということも聞いています。私も学校卒業以来、田舎暮らしをずっと続けていますが、はたして限界集落なのかということを常々考えています。集落のきずなはけっこう強くて、むしろ都市部で暮らすよりも農村で暮らすことのほうが安らぎもありますし、人との触れ合いの温かさもあります。その意味では、大変幸せな地域ではないかと考えています。 ただし、今は暮らしを成り立たせるためには、便利をすべてお金で買わなければいけないという時代に入っています。私どもの地域でも、水道も下水も、日々の生活の電気もすべてお金で買います。お金がなければ、田舎といえども暮らしが成り立たない。そうした実情がありますが、私どもの地域にあっても、何とか外貨をうまく稼ぎながら頑張っている皆さんは相当います。

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