自然と人間の協働による永続的な地域社会づくり
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5なお、本編をお読みになる前にあらかじめお断りしておきますが、このディスカッションは、地域の担い手不足に悩む農山漁村を再生するための個別具体的な処方箋を提示しようとするものではありません。むしろパネリストどうしの語り合い全体を通して、より普遍的な「協働の原理」のエッセンスのようなものが浮かび上がり、一人ひとりの意識に小さな染みのような気づきが生まれていく……そんなイメージを持って進めました。地域社会の永続には住民どうしの「まとまり」や「つながり」が不可欠である、とよく言われます。社会システム論的な表現を借りれば、「同質性」と「機能性」でしょうか。いずれにせよそのベースは、日常行われるコミュニケーションだと思います。そういう意味では、いかにして地域住民どうしのコミュニケーションを、地域全体の幸福を捉える方向で、「自己創出」的に継続させていくか、この点について地域ごとの特性を踏まえて知恵をしぼること、また、そのための「場づくり」も重要な鍵といえるでしょう。小誌がそのきっかけとなれば幸いですし、当研究所としても引き続き調査・研究事業を通じて、そうした取組みを微力ながらお手伝いしてまいりたいと思います。最後になりますが、ゲストの4名の皆様にはお仕事柄、過密なスケジュールの合間を縫って本セミナーに駆けつけていただきました。この場を借りて改めて心より感謝申し上げます。(文責 一般社団法人JA共済総合研究所 調査研究部次長 佐藤 隆介)

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