自然と人間の協働による永続的な地域社会づくり
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59〝あたたかな〟自治の重要性水・食料・エネルギー・教育・医療・福祉という今日のテーマについて、自分たちが何をどのくらい使うかという「自治」が重要だということが、被災地で何となくわかってきました。お金は必要ですが、お金だけではダメです。ブータンの国王は「ブータンでは、人と人、人と自然、世代と世代の関係性が良好なことをもって幸福と言うんですよ」と言いました。それが被災地では皆さんストンと腹落ちしました。私たちはこの50年間で煩わしさを全部切ってきた。人間関係も自然との関係も全部なくしてきた。それがこの50年であれば、被災地復興はこの関係性を創り出すところからだ。それは次世代のために。そういうことがわかってきました。最後に、民俗学者で私の師匠的存在の宮本常一さんの言葉をお伝えします。自然は寂しいしかし人の手が加わると暖かくなるその暖かなものを求めて歩いてみよう宮本さんのご長男によると、「素人は、自然は美しいと言い、人の手が加わると汚くなると言う。でもプロである親父は、自然は寂しく、人の手が加わるとあたたかくなると見ていた」と言います。地域エネルギーはあたたかなものなんです。医療も福祉も食もまったく同じだと思います。そのあたたかなものは自分たちで創らなければダメなんです。あたたかなものを創るために、あたたかな自然再生エネルギーを取り入れていくということではないかと思います。再生可能エネルギーの導入と地域活性化~「里山資本主義」の道のり~

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