自然と人間の協働による永続的な地域社会づくり
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4目と翌年の第2回目が足助交流館という豊田市の施設を利用して開催されました。その際、当研究所研究員(川井)が司会進行役をお引き受けしたのがご縁で交流が始まりました。同シンポジウムの第1回目のテーマは「三河中山間の地域力を考える~十年後の地域をみんなで想像しよう~」。そのときの基調講演者が澁澤先生でした。続く第2回目のテーマは「三河中山間地域高齢者の生活と健康」。このとき、早川院長、河合組合長と中沢先生による鼎談が実現しています。このような経過で今回、JA共済総研セミナーという形での「協働」が実現するに至ったわけですが、彼らは当研究所にとって、研究プロジェクトの共同研究者というよりはむしろ、地域再生という「同じ志をもった仲間」という感覚に近い存在です。ある意味、今回のディスカッションは、その同志たちと交わしてきたコミュニケーションの延長と捉えることができます。実際、当日のディスカッション会場は、いわゆる「サロン」的な雰囲気に包まれていたように感じました。おそらく約150名のディスカッション傍聴者も同様の印象をもたれたことと思います。今回のディスカッションのテーマは『食・自然エネルギー・ケアでつながる新たな生活基盤の可能性を探る』でしたが、そこで語られた話題は非常に多岐にわたりました。最近注目を浴びている「里山資本主義」と日本の資本主義の父・澁澤栄一の思想、地域活性化と女性、そもそも「地域」とは何か、幸福と自然の関係性、食と健康、Iターンの若者たちの価値観や感性、祭りなどの伝統文化の本質、社会教育の場としての農村、自然とのリンケージ機能を担う農業と日本文化、JAという組織の存在意義……等々です。

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