自然と人間の協働による永続的な地域社会づくり
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54●自分たちで決めれば動き始める集積基地で住民がいくらで買い取るかは、住民たち自身で決めました。林業の人、製材所の人、木材加工の人など、みんなが議論して値段を決めました。そして最終的に「1トン3000円」と決まりました。林業の人にとっては、トン3000円は「経営が成り立たない」とおっしゃいます。ところが、トン3000円と決めて動き出すと、それで成り立つ方法を皆さんが考え始めます。そしてだんだん動き始めます。すると今度は、「そんなに多く運べない」「軽トラで木を出荷したい」という人たちも出てきます。「じゃあ何キロなら運べるんだ」と聞くと、「10キロなら運べる」などという話になります。そこでできたのが、資源収集中継土場です。土場は、集積基地に至るまでの中継拠点の役割を担います。例えば、軽トラで800キロ積んで来ると2400円になります。飲みに行く予定があれば、野良仕事の帰りに木を積んで来ると2400円が入ります。それが自分の飲み代になるという、いわば短期金融の機能も持つのです。経済効果が若者を変える●木質エネルギーで14億円が地域に一方、行政と民間とが一緒になって、石油ボイラーの買い替え時期に「木のボイラーに変えてください」とあちこちにお願いしました。今

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