自然と人間の協働による永続的な地域社会づくり
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53例えば樹皮、木片、プレナー屑(カンナ屑)などです。このゴミを資源にしようと、私が最初に受けた仕事は「資源にする手伝い」でした。そうして、木材利用に加えて、エネルギー利用とマテリアル利用をしました。それで、何となくうまくいったように思いましたが、実はうまくいっていませんでした。すべての木が製材所を経由するからです。製材所というのは住宅着工に左右されて売上が乱高下します。売上がいいときはゴミが多く出ますが、そうでなければ派生物まで止まってしまいます。ところが、エネルギー利用やマテリアル利用は、製材所の売上と関係なく、住民にとって重要な産業なのです。それではいけないと、木であれば何でも定額で引き取る集積基地を作りました。これでようやく仕組みとして回り始めました。図に描けば簡単なことですが、住民が「集積基地は必要だ」と思うまでには10年近くかかりました。再生可能エネルギーの導入と地域活性化~「里山資本主義」の道のり~

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