自然と人間の協働による永続的な地域社会づくり
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23山間部の医療機関として足助病院は豊田市の山間部にあります。地域の人口比率としては結構大きな医療施設ですので、それをなんとか活かしていきたいというのが今日のお話です。昔、足助は宿場町でございまして、昭和30年代までは映画館など様々な遊び場所があったと聞いています。しかし、その後はどんどん人口が流出していきました。今では人口約1万5000人の地域に足助病院はあり、ほかに診療所が数所しかございません。要するに、医療機関としてはへき地地域に指定されている場所に足助病院はあります。医療・福祉サービス機関の数も非常に少ないのですが、よく考えると、ここに病院があること自体は地域にとってはそんなに悪い話ではありません。地域の人々が参加する病院●理念と概要私は1998年に院長を拝命しました。以降、掲げているのがこの理念です。病院ですと、普通は「いい医療を提供する」ことが理念になるのでしょうが、私たちは「自然と共生できる文化的地域づくりに貢献する」ことを理念に掲げております。当院の総ベッド数は今190床ですが、入院患者が170名弱ですから、常に満床ではありません。経営的には大変ですが、地域にとっては助かっていると思います。安全・安心・満足の医療・福祉(介護)・保健活動を通じ、中山間部地域住民の生活を守り、自然と共生できる文化的地域づくりに貢献する。中山間地域医療機関を拠点とした地域コミュニティ再生構想

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