自然と人間の協働による永続的な地域社会づくり
22/132

20目のように結びつけて、従来型のビジネス・モデルを改良し、土地や河川を回復させ、あるいはエネルギー・システムの転換を図ることで、暮らしの場を再生していくのです。昨年、中沢新一先生とJA愛知東を訪問し、JA女性部の方々との懇談会を行ったのですが、そこで彼女たちの多岐にわたる活動の報告を伺い、確信を持ちました。JA女性部のネットワークと個々のメンバーによる主体的な行動が、東三河という地域を根底で支えているという実感です。農業の六次産業化も試みているのですが、それだけでは語りつくせない、もっと深い精神世界を彼女たちは創り出していて、そこには感性や想像力が交響する豊かな、網の目のようなセーフティネットが広がっているのです。お話を伺いながら、思わず中沢先生と顔を見合わせて深くうなずいてしまいました。これからのJAそして地域は、もしかするとJA女性部が支えていくのではないか、と思えるほどの力強さを感じました。そもそも〝まちづくり〟は住民参加型の取り組みであり、住民自身の生活の延長線上にある活動であるはずです。そしてそれは「わたしのまち」という自信と誇りに裏付けられたものでなければなりません。最も大切なことは、それが住民一人ひとりの生活の内実を豊かにするものである、という暗黙の共通認識なのでしょう。そのためには、地域における産学官民のパート

元のページ  ../index.html#22

このブックを見る