自然と人間の協働による永続的な地域社会づくり
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126験」をおこなうことも可能ではないかとすら、考えはじめている。これはなかなか見ものではないか。今回のセミナーでは、河合勝正組合長がひとつの精神的な運動の中心となっているJA愛知東での取り組みを事例として、高齢者医療の問題に取り組んでいる早川富博先生、農村部に蓄積されている伝統的な知の掘り起こしをおこない、それを積極的に新しい農村の創造に役立てようと模索している澁澤寿一さんをお招きし、JA共済総合研究所の川井真さんをコーディネーターとして、研究発表とシンポジウムをおこなった。それぞれの人たちがそれぞれの領域での活動報告をおこなったが、そこには共通の意識というものが見られた。それは、農業者の組合の再生は可能であり、それを再生させることは農業のみならず、人間がいま直面している大きな問題に解決のヒントを与えるはずであるという、ポジティブな思想である。このシンポジウムはまだ第一回目であるが、このような大きな問題意識を持ちながら、さらに多くの人々を巻き込みつつ、JAの一角に発生した新しい生産と文化の運動として、大きく成長させていきたいと考えている。

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