自然と人間の協働による永続的な地域社会づくり
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114高齢者と若者、この二つの〝極〟に焦点を合わせると解決策は見えてくる川井:ありがとうございます。もうそろそろ時間も迫ってまいりました。本当に様々な角度からお話をいただきました。地域という一つのキーワードはあるのですが、そこにJAとして関わっている河合組合長には、食をベースにした活動をお話しいただきました。また、早川先生には医療機関としてケアという分野から地域活動に取り組んでいくことについてお話をいただきました。そして、澁澤先生からは、自然エネルギーの問題からほかの活動も含めて、地域とはいかなるものかというお話がありました。もちろん共通するところはあるのですが、それを一つにまとめていくことの難しさを痛感しながら進行させていただきました。  では、最後にまとめも含めて、中沢先生から、前半の個別報告、その後のディスカッション、全体を俯瞰していただいて、何かお言葉をいただければと思います。中沢:今日は確かに難しそうに見えるテーマなのですが、実践的に取り組んでいる方たちばかりを集めた具体的な話だったので、今の日本が抱えている問題がよく見えるようになりましたし、どちらの方向に開いていけばいいのかも、少し見えてきたような気がします。 早川先生は、今、農村部が抱えている高齢化を最大の問題として取り組んでおられます。また、澁澤先生は、農業に取り組もうとしている若い人たちがどのような考えでいるかを理解し、その考えを尊重して、伸ばして、育てていこうという意思を強く持っていらっしゃることがよくわかりました。たぶん、この二つがいちばん重要ではないかと思います。

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