自然と人間の協働による永続的な地域社会づくり
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109ない。TPPが来ようが、グローバル経済、金融資本が襲いかかってこようが、このリンケージの部分を離さない、壊さないということが日本の、人類全体を見たときの大変な武器になると思います。JAはある意味で、この国の文化の根幹の部分に触れている中沢:僕は、JAの役割は重要だと思います。世の中ではJAのことを悪く言う人がすごくいるのですが、JAが壊れてしまったら、大変なことになりますよ。日本文明のいちばんのリンケージの重要な部分が壊れてしまうことになる。 ただ、そこのリンクを保つための働きをJAが明確に意識してやっているかというと、僕は、はたから見ていて、ちょっと物足りないところがあります。やはり農業協同組合ですから、もともと農業をベースにしている。農業とは何かというと、自然との輪を保ち続ける産業形態で、そこから成長してきた協同組合がベースになっているわけです。グローバルな流れがTPPを通して日本に入ってきて、JAなどに攻撃を仕掛けてくることもあると思うのですが、これを放置するとものすごく危険なことになると思います。 ですから農協、JAというのは、今の日本の中でとても重要な組織だと思うのです。その重要性はJAの中でも十分に認識されていないのではないかという印象を、僕はこの2、3年ほどのJAとのお付き合いの中で感じています。もし、このことを強く意識するようになると、この組織はものすごく重要な組織に生まれ変わるのではないかと思うのです。 河合組合長も含め、三河地区の何人かの組合長さんとお付き合いしましたが、その組合長さんたちは、農業協同組合の原点というのを忘れ

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