自然と人間の協働による永続的な地域社会づくり
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102ても、タクシーに乗らなくてもいいから、食事と栄養管理だけはきちんとやろうという話が出てきて、そのとおりだろうと思います。地域、農村部に給食センターのようなもの、あるいは人が集まる場所で、食べ物を提供する場所をつくっていくというのは、これからとても重要になるだろうと感じました。 三陸の被災地でも、みんなが集まって来る場所をつくる。そこで食べ物を提供し、みんなで食べることがすごく重要になっています。みんなで食べることの持つ意味は、これからすごく大きくなっていくような気がします。川井:町田理事長、いかがでしょう。六次産業化への取り組みも含めて、食をベースにした地域産業の再構築、そこには医療やエネルギーなどセーフティネットの問題もいろいろ絡んでくると思いますが、我々も何かそういうモデルを追求してもいいのかもしれませんね。町田:まさに今回のセミナーのテーマの根幹に関わるようなお話だと思います。今、中沢先生がおっしゃったように、安全なことはもちろんですが、皆さんが安定的に食べられるということは非常に大事なことです。すべてのベースが食ということで、JAグループの果たす役割は本当に大きいと思います。そこには栄養や食習慣の問題もありますし、医療とも関係が深いと思います。 余談になりますが、先日、NHKの番組制作の担当理事の方とお話する機会があったのですが、農業や農村を取り上げた番組を地方局発でもいいから、もっとつくってほしいと私から申し上げたことがあるのです。そうしたら、「毎日やっていますよ」と言われて、それが『ごちそうさん』でした。ああ、なるほどと(笑)。 農業と農村の存在意義は、食と深い関係を持っていますので、そういう意味でも食の問題

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