JAの元気高齢者活動に関する調査研究
発表者 主席研究員 泉田 富雄 研究員 濱田 健司
発 表 研究報告書 2008年3月
概要
1.趣旨
農林業センサスと農業構造動態調査によれば、高齢者は、平成18年の農家人口では793万人のうち265万人(32.4%)、農業就業人口では320万人のうち185万人(57.8%)を占めている。当然のことであるが、農業者を主体に構成されるJAにおいては、組合員の高齢化がすすみ、また高齢者をかかえる組合員世帯も多くなっている。
このような中、介護の必要な高齢者も増えつつあるが、その7〜8割は元気高齢者である。しかし、一口に元気高齢者といっても、仕事(労働力の提供)、文化・ボランティア活動などに参加している人がいる一方で、核家族化・日中一人暮らし・家族内での孤独化など、社会とのかかわりや人とのつながりが希薄になっている高齢者も少なくない。
JAは、地域に根ざしてきた組織、高齢者を多数かかえる組織である。JAにとっては、高齢者の自立支援・地域づくりを自らの問題として捉え、高齢社会に対応した事業・活動を展開することがますます重要となっており、こうした中で元気高齢者活動の促進が求められている。しかし現状、JAの元気高齢者活動については、介護の必要な高齢者に比べると取り組みが進んでいない面も見受けられる。
このため、JAにおける元気高齢者活動の展開に役立ててもらうことを目的として、活動を進めるにあたってのポイント等を整理する。
2.調査方法
いままでのJAの元気高齢者活動の内容や関連資料を参考にしつつ、JA等の調査も行い、(1)取組みの視点・範囲・分野、(2)活動のすすめ方、(3)運営面(ポイント、活動グループ同士の交流、地域との連携・協力、運営へのJAのかかわり方など)を中心に取り組むにあたってのポイントを整理した。
なお、とりまとめに当たっては、実際の活動に活かしやすいよう、報告書形式ではなく手順書形式とした。