縮小しながら発展する地域の創生
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86れが全部つながってくるようなイメージがあります。私としては、自分の中でも熟していない模索中のテーマですが、講演の中で少し申しましたコミュニティ経済、言い換えると相互扶助経済でもあるのですが、このあたりが一つのポイントになってくるのではないかと思います。コミュニティ経済というのは、たとえば高齢者をコミュニティの中に包摂していくと同時に、高齢者自身も積極的に参加して、若い世代にいろいろなことを教えたりします。それでまた経済、ヒト・モノ・カネが循環していくというイメージです。コミュニティと経済が融合して、そこに広い意味で雇用なども生まれてきます。それは相互扶助経済で、中沢先生のお話にもあったように、実は日本が元々しっかりと持っていたものです。さらに話を広げると、本日の主要なテーマである、資本主義と縮小する社会、あるいは定常する社会というのは果たして両立可能なのかという、最も基本的な課題があると思います。そうした大きなレベルで言うと、これから拡大しない資本主義システムのようなことがあるとすれば、相互扶助経済、さまざまな世代が参加するコミュニティ経済のようなものが、おそらく一つの軸になってきます。6次産業の話もそれにつながると思います。これは問題提起というか、お伺いしたいテーマですが、実は今の1次・2次・3次という産業分類自体が、工業化時代にでき上がったもので、農業を中心とする社会においては、元々1次・2次・3次も全部融合していました。コミュニティの中のケア、相互扶助、生産なども、元々全部1次・2次・3次が融合していて、それが分かれていったのが工業化時代、近代です。それがもう一度、再融合しているのが現状ではな

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