縮小しながら発展する地域の創生
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49地域創生と経済・暮らしのレジリエンス(しなやかな強さ)タはあまりないのですが、もしこれを経済的価値に評価するとすれば、これがまさに広井先生がおっしゃったGDPに代わる指標として注目されているところであり、それにどのくらいの価値があるかということがこれからの課題なのです。おそらく、多くの地域で相互扶助活動は減退してきた歴史があります。それを失っているという観点から、私たちはこれをどうやって回復するかを考えることが大事です。また、おもしろい研究があって、『つながり:社会的ネットワークの驚くべき力』という本をアメリカのハーバード大学のクリスタキスという人が書いています(*2)。アメリカの事例です。帯には「肥満は伝染する」と書いてあります。つまり、私たちは地域の周りの人間にいかに影響されるか、ということです。昔は日本だけがそうで駄目だという雰囲気があったと思いますが、けっして日本だけのことではありません。クリスタキスは、「周りの人間が健康になってくると自分も健康になれる」ということを研究して

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