2025年の日本を俯瞰した調和的な社会経済モデルを探る
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27が非常に高くなっています。おそらく日本は、他国と比べて結婚率と出生率が非常に関連していると考えられます。結婚の時期にもよりますが、子どもの数はあまり変わりませんから、結婚率の低い仕事に就いておられる方が多い産業は出生率も低い、と想像するのが自然です。では、農業はどうでしょうか。実は農業の場合、男性の未婚率が非常に高く、女性の未婚率が非常に低くなっています。それはどうしてか。因果関係の問題があるからです。つまり、若い未婚女性にとって農業がいかに魅力的かをPRする努力をしなければ、若い女性は来ません。端的に言えば、結婚しないと来ない。だから女性の未婚率が低いのです。しかし、男性はそうではありません。これ以上は分析しませんが、そう考えていくと、今の働き方をどのように上手く変えていくかを私たちは考えなければいけません。しかも、産業ごとに働き方を相当変えなければいけない可能性がある、ということを問題提起させていただきたいと思います。(4)産業ごとの働き方を考える働き方を変えることによって出生率を変えることができるということは、安倍内閣でもいろいろとおっしゃっております。ただ、そこには「産業ごと」という視点を入れた方がいいと思っています。意外に思われるかもしれませんが、2次産業の工場で働いておられる方の結婚率は低くございません。なぜかというと、優良工場に関しては定時出勤・定時退社が習慣になっているからです。余談ですが、私の親戚は愛知県の豊田市で兼業農家をやっております。決まった時間に自動車会社で働き、家に帰ってから農業をやっ2025年、経済の活性化と高齢化の両立は可能か

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