自然と人間の協働による永続的な地域社会づくり
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47地域のエネルギーを自給したい今、『里山資本主義(*)』という本が隠れたブームになっています。資本主義では膨大なお金が日々動きますが、そのうち80~90%はバーチャルマネーと言われる金融資本です。それがリーマン・ショックのようにおかしくなると、実体経済にまで影響を与えます。そうした状況下で地域が高齢化・過疎化しているときに、実体経済で新しい小さな経済をつくれないかという本です。この本で紹介されている岡山県真庭市に、私は17年間よそ者として携わっています。よそ者と地元の人とが共同して地域創りをし、地域内のエネルギーを自給できる方向にもっていこうという活動をしています。今日はその話を中心にします。昭和8年大津波の復興計画書●わずか4か月間で完成ただその前に震災のお話をします。地域を考える際に非常に大切だからです。お示ししたのは、岩手県大槌町の吉里吉里地区の復興計画書です。これは、昭和8年の昭和三陸地震直後の復興計画書です。私がこれを初めて見たのは3年前、東日本大震災の年の7月6日です。皆さんがまだ避難所で暮らしていたとき、神社の宮司さんが「蔵から出て来た」と持って来ました。昭和三陸地震は再生可能エネルギーの導入と地域活性化~「里山資本主義」の道のり~(*)藻谷 浩介・NHK広島取材班 著(2013)、角川書店

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